フリーアドレス制のオフィスとは?書類管理の選択について

フリーアドレス制のオフィスとは?書類管理の選択について

フリーアドレス制のオフィスでは、従来の個人デスクを持たないため、書類管理が従業員にとっての大きな挑戦となります。固定席に比べると、パーソナルロッカーでの収納スペースが限られているため、どの書類を保持し、どの書類を共有または廃棄するか、という選択が重要です。

適切な書類量の目安は、一般的なパーソナルロッカーでファイルボックス4個分程度とされています。これはノートパソコン1台と書類の収納を想定したサイズですが、業務によってはこの容量では不十分かもしれません。そのため、必要最低限の書類のみを個人で保持し、それ以外は適切に処分または共有スペースに移行することが求められます。

書類管理の鍵となるのは、不要な書類を廃棄し、必要な書類のみを整理して保管する「書類の管理基準」を定めることです。書類は「個人書類」「共有書類」「重要書類」の3つに分け、それぞれの適切な保管場所や管理ルールを設けます。個人書類は仕事が完了するまでの仕掛品、共有書類は複数のスタッフがアクセスする必要がある文書、重要書類は契約書などの機密文書に分類されます。

さらに、これらの書類管理ルールを社員全員に周知し、継続的に遵守することが重要です。各部署からファイリング担当者を選出し、管理体制を構築することで、ルールの継続的な実施と監督を確実に行います。また、定期的にルールが守られているかどうかのチェックを行い、改善を促進します。

フリーアドレス制における「クリーンデスク」のポリシーは、デスクの共有化に伴う混乱を防ぐためにも重要です。退社時にはデスクをきれいに片付けることで、次にその席を使用する人が快適に作業を始められるようにします。週に1度の「一斉清掃タイム」を設けることも、オフィスのきれいな環境を維持するための有効な手法です。

フリーアドレスオフィスの書類管理は、個人の努力だけでなく、組織全体でのルール作りとその徹底が成功のカギです。書類を適切に管理することで、仕事の効率化、スペースの有効活用、そして何よりも情報のセキュリティを保つことができます。これは新しいオフィス環境における、新たな働き方の一環として、今後もますます重要になってくるでしょう。フリーアドレス制を成功させるためには、従業員一人ひとりがこの新しい書類管理方法を理解し、適応していく必要があります。